画像データは、コンピュータで画像を扱うための基本的な情報の形です。
情報Ⅰでは、画像データの表現方法として「ラスタデータ」と「ベクトルデータ」の違いを理解することが重要です。
これらは見た目は同じ画像でも、内部の表し方や性質が大きく異なります。
本記事では、それぞれの定義と仕組み、具体例、注意点を整理して理解します。
画像データの種類
画像データとは何か
画像データとは、コンピュータ上で画像を表現するためのデータのことです。
画像データは、アナログの画像を標本化・量子化・符号化を経てデジタルデータにしたものです。覚えていない方は、以下の記事で復習してください。

画像の表現方法には主に次の2種類があります。
- ラスタデータ(ラスタ形式)
- ベクトルデータ(ベクトル形式)
ラスタデータ(ラスタ形式)とは
ラスタデータとは、画像を「画素(ピクセル)」の集まりとして表現する形式です。
各画素には色の情報が割り当てられており、それらが並ぶことで画像が構成されます。
ビットマップデータともいわれます。
ベクトルデータ(ベクトル形式)とは
ベクトルデータとは、画像を「点、線、図形の情報(座標や式)」によって表現する形式です。
図形の位置や形、大きさなどを数値で記録します。つまり、ベクトルデータは、画素毎の情報は記録していません。
ベクトル形式は、ベクタ形式といわれることもあります。
ラスタデータの仕組みと特徴
画素の集まりとして表す仕組み
ラスタデータは、縦と横に並んだ画素の集合で画像を表現します。
- 各画素に色の値が記録される
- 画素の数が多いほど細かい表現が可能になる
このように、画像全体を細かい点の集合として扱います。
写真や細かな色の表現に向く理由
ラスタデータは、次のような特徴があります。
- 色の変化を細かく表現できる
- 明るさやグラデーションを自然に表現できる
そのため、写真のような複雑な画像に適しています。
拡大すると画像が粗く見える理由
ラスタデータは画素の集合であるため、拡大すると1つ1つの画素が目立つようになります。
その結果、以下のような現象が起こります。
- 画像がぼやける
- ギザギザが目立つ
これを画質の劣化といいます。
ベクトルデータの仕組みと特徴
点や線、図形の情報で表す仕組み
ベクトルデータは、図形を次のような情報で表現します。
- 点の位置(座標)
- 線の形や長さ
- 図形の大きさや色
これらを数値として記録します。
拡大や縮小をしても形が保たれやすい理由
ベクトルデータは数式や座標で表されているため、拡大や縮小をしても再計算されます。
ベクトルデータは、以下のような特徴があります。
- 形が崩れない
- 画質が劣化しない
イラストや図、ロゴに向く理由
ベクトルデータは、以下のような画像に適しています。
- 単純な図形で構成される画像
- 線や輪郭が重要な画像
具体例を挙げると…
- ロゴ
- 地図
- 図表
- フォント
などに利用されます。
ラスタデータとベクトルデータの違い

表現方法の違い
| 項目 | ラスタデータ | ベクトルデータ |
|---|---|---|
| 表現方法 | 画素の集まり | 点や線、図形の情報 |
| 記録内容 | 色の情報 | 座標や数値情報 |
得意な用途の違い
- ラスタデータ:写真、自然画像
- ベクトルデータ:図形、ロゴ、設計図、フォント
編集のしやすさの違い
- ラスタデータ:細かい修正は可能だが拡大に弱い
- ベクトルデータ:形状の変更や拡大縮小が容易
ファイル利用時の注意点
- ラスタデータは拡大すると画質が低下する
- ベクトルデータは複雑な色表現には向かない場合がある
まとめ
画像データには、「ラスタデータ」と「ベクトルデータ」という2つの表現方法があります。
ラスタデータは、画素(ピクセル)の集まりとして画像を表し、写真のような細かな色の変化やグラデーションの表現に適しています。ただし、拡大すると画質が劣化し、ぼやけたりギザギザが目立つという特徴があります。
一方、ベクトルデータは、点や線、図形の情報(座標や数値)によって画像を表します。そのため、拡大や縮小をしても画質が劣化せず、形を保ったまま表示できます。この特徴から、ロゴや図、フォントなどに適しています。
このように、ラスタデータとベクトルデータは仕組みと特徴が大きく異なり、それぞれ得意な用途も異なります。目的に応じて適切な形式を選ぶことが重要です。
