はじめに:なぜ今「情報」なのか
2022年度から、高校では「情報Ⅰ(情報1)」が必履修科目となりました。つまり、現在は全高校生が学ぶ科目へと位置付けが変わっています。
その背景には、社会の急速な情報化と、子供たちに求められる資質・能力の変化があります。
保護者、特に、子どもの勉強をサポートしている保護者(いわゆる、伴走をしている保護者)にとって、情報に関する知識は、受験に関わる重要な事項になります。
ここでは、高等学校学習指導要領に基づき、高校で「情報」が必修となった理由を整理します。

高校で「情報」が必履修になった制度的背景
学習指導要領改訂のポイント
平成30年告示の高等学校学習指導要領では、社会の変化に対応するため、「生きる力」を具体化し、資質・能力を三つの柱で整理しました。
- 知識及び技能
- 思考力・判断力・表現力等
- 学びに向かう力・人間性等
また、「情報活用能力」は、平成30年告示の学習指導要領において全ての学習の基盤となる資質・能力として位置づけられています。
つまり、情報活用能力は一部の生徒だけでなく、全ての生徒が身に付けるべき基礎的な力とされたのです。
共通必履修科目「情報Ⅰ」の新設
従来は「社会と情報」「情報の科学」のいずれかを選択して履修する仕組みでした。
しかし改訂後は、共通必履修科目として「情報Ⅰ」が新設されました。
「情報Ⅰ」では、
- プログラミング
- モデル化とシミュレーション
- ネットワークと情報セキュリティ
- データの活用
- 情報デザイン
- 情報モラル
などを体系的に学びます。
これは、情報の科学的な理解に裏打ちされた情報活用能力を、全ての生徒に育成することを目的としています。
社会の変化と情報教育の必要性
AIやIoTの発展
人工知能(AI)やIoTの発展により、社会は大きく変化しています。
身の回りの機器はネットワークにつながり、膨大なデータが活用される社会になりました。
私の職場でも、AIを用いて業務の効率化が図られるようになりました。ChatGPTやGeminiの活用だけでなく、社内だけで活用するオンプレミスAIも導入されており、AIは非常に身近になっています。
また、コロナ過によって、社内・社外の打ち合わせはほとんどWEB会議によって行われるようになっています。
このような社会では、情報や情報技術を「使う」だけでなく、「理解し、活用し、適切に判断する」力が不可欠です。
私の職場でも、AIを使えるのは当然で、社内にAIを導入できる人材、AIを管理できる人材、AIをアップデートできる人材が重宝されています。
情報活用能力が「学習の基盤」とされた理由
情報活用能力とは、
- 情報を主体的に収集・判断・表現・処理する力
- 情報技術を活用して問題を発見・解決する力
- 情報社会に参画する態度
を含む総合的な能力です。
これは、あらゆる教科の学習や、将来の社会生活に共通して必要となる力です。
そのため、教科横断的に育成すべき基盤的能力と位置付けられました。
「情報Ⅰ」で育てる力とは
知識・技能
- 情報や情報技術の特性の理解
- 情報セキュリティや個人情報保護に関する理解
- プログラミングやデータ活用の基礎的技能
単なる操作技能ではなく、科学的な理解に基づく知識と技能の習得を目指します。
思考力・判断力・表現力
- 事象を情報とその結び付きとして捉える力
- 問題を発見し、情報技術を用いて解決する力
- 適切な情報発信を行う力
これらは、情報に関する「見方・考え方」を働かせる学習を通して育成されます。
学びに向かう力・人間性等
- 情報モラルを踏まえた行動
- 情報社会に主体的に参画しようとする態度
- 他者と協働しながら問題解決に取り組む姿勢
情報教育は、技術習得だけでなく、責任ある態度の育成も重視しています。
他教科や大学入試との関係
情報活用能力は、他教科の探究活動やレポート作成、データ分析などで活用されます。
また、2025年度大学入学共通テストからは「情報」が出題科目に加わりました。
これは、高校段階での情報教育の重要性が社会的にも認識されたことを示しています。
まとめ:すべての生徒に必要な「情報活用能力」
高校で「情報」が必履修となった背景には、
- 急速に進展する情報社会
- AIやデータ活用が前提となる社会構造
- 情報活用能力を学習の基盤とする教育改革
があります。
「情報」は特定の進路を目指す生徒だけの科目ではありません。
すべての生徒が、将来どのような分野に進んでも必要となる基礎的な力を育てる科目です。
保護者の皆様には、単なるパソコン操作の授業ではなく、「これからの社会を生きる力」を育てる教科であることをご理解いただければ幸いです。
実利的にいうと、共通テストの出題科目だから必要です!ぶっちゃけ情報が必要な理由に、これ以上のものはないでしょう!

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