私たちは日常生活の中で、「情報」という言葉を当たり前のように使っています。
しかし、高等学校「情報Ⅰ(情報1)」では、情報を感覚的に捉えるのではなく、学習指導要領に基づき、科学的に理解することが求められます。
情報を正しく定義することは、情報活用能力を身に付ける第一歩です。
本記事では、情報の定義とその特性について解説します。

情報とは何か(定義)
JIS(日本工業規格)では情報を以下のように定義しています。
事実,事象,事物,過程,着想などの対象物に関して知り得たことであって,概念を含み,一定の文脈中で特定の意味をもつもの。
これだけだと何を言っているかわからないと思うので、かみくだいて説明していきます。
1.事実,事象,事物,過程,着想などの対象物
これは、情報のもとになる対象を示しています。
- 事実:実際に起きた出来事や客観的な内容。
- 事象:自然現象や社会現象など、起こる出来事。
- 事物:具体的な物や対象。
- 過程:物事の進み方や変化の流れ。
- 着想:アイデアや考え。
つまり、現実の出来事だけでなく、考えや発想も含まれるということです。
2.に関して知り得たこと
ここで重要なのは、対象そのものではなく、それについて知った内容であるという点です。
例えば、
- 実際の気温そのもの → 事象
- 「今日の最高気温は25℃である」 → 情報
情報は、対象そのものではなく、対象についての知識といえます。
3.概念を含み
概念とは、共通の特徴をまとめた抽象的な考え方です。
例えば、
- 「犬」という概念
- 「経済成長」という概念
情報は、単なる数値や記号だけでなく、抽象的な概念を含むことがあります。
多分、ここは一番理解するのが難しいと思いますが、あまり気にしなくていいです。
4.一定の文脈中で特定の意味をもつもの
これが最も重要な部分です。
文脈とは、前後関係や状況のことです。同じ内容でも、状況が違えば意味が変わります。
例として、「100」という数値が表す特定の意味を考えます。
- テストの点数なら高得点
- 気温なら危険
- 国民の数なら小規模
つまり、情報は文脈の中で意味をもつという性質があります。
ここが、単なるデータとの違いを明確にする部分です。
つまり、情報とは?
情報とは、ある事象や対象について、受け手にとって意味をもつ内容のことと考えれば十分です。
単なる数値や記号そのものではなく、それを解釈した結果として意味をもつものが情報です。
データとの違い
- データ:数値や文字、記号などの事実そのもの。
- 情報:データが整理・解釈され、意味をもったもの。
例えば、「25」という数値はデータです。
しかし、「今日の最高気温は25℃である」と意味づけされたとき、それは情報になります。
このように、データは情報の素材であり、情報は意味を伴う内容です。意味を持ったデータ=情報と考えることもできます。
情報の特性

情報には、「もの」とは異なる特性があります。代表的な特性は次の4つです。
- 形がない
- 消えない
- 簡単に複製できる
- 容易に伝播する
形がない
情報は物体のような形を持ちません。
そのため、人によって解釈が異なる場合があります。
同じ文章を読んでも、受け取り方が違うことがあるのはこのためです。
消えない
一度デジタル化された情報は、完全に消去することが難しい場合があります。
インターネット上に公開された情報は、保存や転載によって残り続ける可能性があります。
簡単に複製できる
デジタル情報は、品質を劣化させずに何度でも複製できます。
写真や動画、文章は、ほとんど手間なくコピーできます。
これは「もの」と大きく異なる点です。
容易に伝播する
ネットワークを通じて、情報は瞬時に広範囲へ広がります。
SNSなどでは、短時間で多数の人に情報が伝わります。
地球の裏側の情報でも、一瞬にして入手することができます。
確認テスト
Q1. 「情報」の説明として最も適切なものはどれか。
A. 数値や文字そのもの
B. 意味を持たない記号の集合
C. データが整理・解釈され意味を持ったもの
D. 物理的に存在するもの
Q2. JISによる情報の定義に含まれないものはどれか。
A. 概念
B. 文脈
C. 感情
D. 対象物
Q3. 「25」という数値単体は何に分類されるか。
A. 情報
B. データ
C. 知識
D. 概念
Q4. 情報の特性として適切でないものはどれか。
A. 形がある
B. 消えにくい
C. 簡単に複製できる
D. 容易に伝播する
答え:Q1→C Q2→C Q3→B Q4→A
まとめ
情報とは、受け手にとって意味をもつ内容です。
データと区別し、意味を伴うものとして理解することが重要です。
また、情報には正確性や適時性などの特性があり、受け手や文脈によって意味が変わる性質があります。
情報Ⅰでは、こうした基礎的理解の上に立ち、情報と情報技術を活用して問題を発見・解決する力を育成します。
情報を正しく理解することが、情報社会を生きる基盤となります。
